カルドセプト 6巻/かねこしんや/講談社

Culdcept 6 (マガジンZコミックス)バルテアス神復活を目論む異形の『黒のセプター』たちとの全面対決を控え、ギルドマスターの命により『火の王』のカードを入手すべく、師であるホロビッツと旅立ったナジャラン。
抗えぬ滅びと向かい合うシャンテニオンの地で、恩讐を抱きその身に『火の王』の力を宿したゼネスと再会したのも束の間、ナジャランは師とゼネスの死闘に立ち会うこととなる。
心身を蝕む憎悪に焼かれるゼネスが戦いの中で見出した『人の世の美しいもの』…だが神と人を巡る戦いは、彼らをなおも過酷な死地へといざなう。
容赦なく吹き荒れる戦乱により翻弄され、だが強い意志を抱いて涙と笑顔で逆境に抗ってきたナジャラン。そんな彼女にとって、身を切られるよりも辛い別れと裏切りが…うぉぉぉぉ!熱い!燃える! 読んでいた電車の中でマジ泣きしそうになりましたよも〜!(T△T)
超弩級の召喚バトルと共に、形のない心の闘いまでも丹念にえがかれるのがこの作品の魅力ですが、今巻の展開はあまりにも哀しく…それでもナジャランと出逢った作中の人々がそうであったように、読み手の我らも「それでも彼女なら!」と光る希望を託してしまうのですよ。
それはナジャランにとっては残酷な祈りかもしれませんが、彼女ならばそれを託す側の弱さにすらも、傷も痛みも涙も越えた笑顔で応えてくれると信じてしまうのです。それを信じるに足る真なる強さを、幾度となく見せてくれた彼女だからこそ…今は絶望に打ちのめされたとしても、立ち上がれナジャラン。