惑星のさみだれ 4巻/水上悟志/少年画報社

惑星のさみだれ 4 (ヤングキングコミックス)ついに一同に会した『獣の騎士』たち。束の間の平穏を過ごす姫と夕日は、騎士たちおのおのの背景と、彼らが闘いに挑む理由に触れる。だが魔法使いとの決戦の時は刻一刻と近づいていた。
先ず今巻注目のキーワードは、『黒髪みつあみめがねっ子女子高生(はぁと)セーラー服で百烈脚』と、ついに(回想とはいえ)実像を露わにした『カジキマグロの騎士』。
前者に関しては少し前にネタを書いたので参照頂ければ。
後者は想像はできたものの、実際に絵で見ると秋谷仙人同様「少々ナマの迫力に驚いただけだ!!」という気持ちに<いや実際は『少々』どころでないインパクトでしたが(笑)
あとカジキマグロもそうでしたが、馬も凄かったなぁと。『時速6、70キロ』のくだりの描写が笑うやら圧倒されるやら。『漫「画」』ってスゴイ!
しかしコミカルなネタも含めつつ、全知万能の域に達した『仙人』が、だが長い年月をかけて『人』として立ち返った境地を語るエピソードは重く、より深く心に響きました。
このエピソードの前に、その『アカシックレコード(全知)』を手にせんとする風巻のエピソードを配置する流れがまた、絶妙な構成なのですよなー。
他にも、たおやかなのに心は『武士(もののふ)』の八宵や、半月とは趣の異なる『正義の味方』南雲、師の意を継ぎ手を取り合うユキと昴。そして『魔法使い』を『普通じゃない』と蔑む様子を見せながらも彼の騎士として振る舞う太陽。
やはりというか何というか、一癖も二癖もある『獣の騎士』たち。その誰もが様々なものを背負い、ゆえに芯の通った生き様で魅せてくれました。
そんな彼らに心惹かれれば惹かれるほど、いずれ遠くない未来、彼らと姫&夕日が対峙するであろう日のことを思うと胸が騒ぎます。その時、それでもまだ姫と夕日は『地球を砕く』悲願に殉じられるのか、それとも…?