ひらひらひゅ〜ん 1巻／西炯子／新書館

よく似た愛らしい双子の兄妹に恋心を翻弄される健一。好きな子への想いが高じ過ぎた結果、彼女の心の声（？）を日記に綴るまでに至ってしまった変態宝代。
などなど、思春期真っ盛りな県立開開高校弓道部の面々が織りなす、恋と友情と青春のもやもやと。『本当の自分』なんて、どこを探したっていないんだYO！ 幸せ（？）の青い鳥は最初からそこにいるんだ！
ないまぜになる他者への意識と自意識は、さながら洗濯槽の渦に揉まれるシャツのごとく。落ちる汚れは汗か涙か煩悩か…だかソレは果たして、洗って拭えるものなのか？
惑う心はパニックに陥りあさっての方向に駆け抜けてしまう。そんな青春時代にありがちな迷走が、こそばゆくも輝かしい短編連作週です。
これぞ恋！もんどり打つほどの青春！いやもー若人たちの精一杯が面白甘酸っぱいですよ。『放課後の国』もそうでしたが、著者氏の学園モノは本当に爽やか面白いなぁ。