ふたつのスピカ 13巻/メディアファクトリー

ふたつのスピカ 13 (MFコミックス フラッパーシリーズ)それはあまりにも早く、あまりにも儚く、失われてしまった命。
けれどその鮮烈な光が、目に焼き付いたまま離れない。瞼の裏に残る残像は、まるで夜空に輝く星のように。
繋いだ手は離れてしまったけれど、その温もりはいつでも思い出せる。胸の中に灯る夢の暖かさを思い出すたびに、彼はそこにいる。
アスミたちがそうであったように、読者にとっても突然の、秋との『おわかれ』。
静かな哀しみに満ちた『秋の居ない風景』を淡々と読み進めていたのですが、ランニングでケイが決意を口にするシーンで、じわっと目頭が熱くなりました。
心の痛みと共に生きていこうとする、残された者の必死の想い…そんな何かが伝わるような気がしたのだと思います。
仲間を欠いてなお宇宙への道を走り続けるアスミたち、その全力が向かう先をこれからもそっと応援しながら見続けていきたいと思います。