夏目友人帳 5巻/緑川ゆき/白泉社

夏目友人帳 第5巻 (花とゆめCOMICS)名を記された妖怪を支配する『友人帳』を持つ夏目が出会ったのは、自分の描く陣に踏み入った妖怪を視ることができる少女・多軌。
だが妖に祟られている多軌がうっかり夏目の名を呼んでしまったことで、その呪いが夏目の身にも及んでしまった。
不条理な祟りを退けようと、名も知れぬ妖を探す多軌と夏目だったが、突如、彼らを嘲笑うように現れた妖により夏目は攫われてしまう。
旅館のおばあさん、多軌、田沼、そして夏目に友人帳を遺した祖母・レイコを知る養父。
今までは人に対するよりも深く妖怪と関わってきた夏目ですが、今巻では逆に、妖怪を通じて人と強く繋がってゆきつつある姿がえがかれていたように思います。
全てを明かすことはできなくとも、触れ合う人たちと結ばれる心の温もりから、『許される自分』を実感して、そのことに安堵し、それをくれる他者に向ける愛着を強くしてゆく…けれどそれを失うことに対する恐れもまた、より濃い影を彼の中に落とす。
そういった葛藤にひとつの答えを出したであろう祖母の姿に想いを馳せつつ、自らのゆく道を思う夏目。どうか彼のゆく道に、より多くの花が咲きますように。
で、アニメ化ですか…う〜む、脚本と演出をしっかりできないと陳腐なモノになりそうでちょっと怖いなぁと思うのですが、とりあえずは観てみたいなと。
変にお涙頂戴系方面に盛り上げるのだけは勘弁して頂きたいものです<いや正直、既刊のあの萎える帯文句を見ていると、その辺りがとても不安になってしまうのですよな(^^;;)