エア・ギア 20巻/大暮維人/講談社

エア・ギア(20) (講談社コミックス)運命の決戦に備え特訓を続け、パーツ・ウォウに挑む小烏丸の前に立ち塞がるのは、A・T業界に殴り込みをかけんとする枢の父が率いる会社団体の白狼会。
ズブの素人である白狼会を瞬殺すると思われた小烏丸だったが、白狼会の『組織』たるチームワークに翻弄され、また『契の王』としてメンバーを率い、イッキのためにあえて敵に回った枢の存在により、チームは苦境に立たされる。
明日の勝利を掴むために、自分たちに欠けているモノが何なのか…新たな戦いと出逢いが、またひとつ彼らを育ててゆく。
枢が真の意味で小烏丸のメンバーとなるエピソードでしたが、それと同時に、小烏丸が白狼会とのバトルから連携の重要性を学んだり、『凡庸で矮小たる個』として抱く劣等感ゆえに仲間を裏切る形で姿をくらませたはこが、だからこそ『みんな』と共に見られる夢があるのだと改めて認識したり、『仲間』をキーワードとして展開された流れだったかなと。
高く美しい理想に届かない自分を正面から見据え、仲間との絆を再確認して…それでも自分の意志で仲間と歩む道を離れたはこの在りようが、何とも脆く歪に、だからこそ強く鮮やかにも見えました。
引き立て役のかませ犬で終わらない見事なキャラ描写…表舞台の華ではなくとも、彼女もまた確かに『ヒロイン』でした。今後の彼女にも注目していますよ。
大人の辛さとカッコ良さを存分に見せつけてくれた白狼会にも盛大な拍手を。
一見いけ好かないライバル大会社社長の奮起を促す台詞がまた熱いっちうかね…っ! 『強敵』と書いて『友』と読んだりするんだヨ!
でもってリンゴの内助の功…今、流れは圧倒的に枢優勢で進んでいるのですが、リンゴにも頑張って欲しいですよ〜(T▽T)