アンダー ザ ローズ 5巻/船戸明里/幻冬舎

Under the Rose 5―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)正餐会に集った個性的な賓客たちと触れ合い、新たな一面や成長を見せるロウランド家の子供たち。そしてロウランド家という閉じられた世界で苦悩するブレナン先生にも、出逢いは新しい風となり様々なものを運んでくる。
新たな登場人物を多数迎え、その各々がまた新たに関係を築いてゆく最新刊。登場人物の数が多いもののそれぞれの人物描写は細やかで、各人の個性を鮮やかに光らせています。数ある挿話も有機的に結びついていて、散漫になることなく大きな流れを紡いでいるのが巧みだなぁと感心。
ここしばらくはその巧みさでもって、先生とウィリアムによる鬱々としたやりとりと心情描写が綴られる展開が続いていたので、ひとまずそこから離れてくれたのにも一息つけたなと。
ふたりの問題はいつまでも据え置けるものではないでしょうが、時間をおくことでふたりの互いに対する感情にも変化が生まれてきたようなので、以降はまた違った流れが見られそうだよなぁと、その辺りにも期待しております。でも今暫くはこの外に開かれた群像劇を眺めていたいなと…(^^;;)
グレン家の金髪悪魔っ子団の快進撃と、それに対するロウランド子供チームのやりとりが秀逸ですよ。つーかキティとクレアの萌え幼女っぷりが尋常ない!
でもアレは2次元だから萌えとか言ってられるんだよなぁ。リアルに存在してあの振る舞いだったら、先ず間違いなく平手打ちか尻打ちするな(笑)