エア・ギア 21巻/大暮維人/講談社

エア・ギア(21) (講談社コミックス)山籠もり合宿に臨む小烏丸に襲いかかったのは、大自然の驚異たる台風…そしてジェネシスからの新たなる刺客!
そんな最中、鋭さを失った『牙』を取り戻そうとあがくように特訓を続けるアギトを、水棲の魔龍・オルカが強襲する。
その戦いに巻き込まれた弥生と、無防備なイッキたち小烏丸を守るため、オルカの圧倒的な能力に立ち向かうアギトとアキトだったが、力及ばず絶後の危機に…だがその時、彼らの最たる深奥から、あってはならぬ存在が立ち上がった!
端的に表現すると、『それなりに頑張って修行した成果ではなく、危機に瀕して呼び起こされた『隠されていた力』によってパワーアップ!』とかいうジャ○プ的覚醒展開ではあるのですが、それに至るまでのアギトの心因的なあがきを経て、彼の持つ『強さ』の価値観を転化し、更には『万能感を覚えるほどの絶対的な力』の在り様を否定した果てにアギトが顕現させた『心技体』の全てが備わったトリックで決着をつける流れをきちんと描写しつくした結果、納得のいく『バトル成長マンガ』として魅せられたなぁと(長い)
地味目ポジションに甘んじている弥生の、一般平凡キャラという立ち位置にも関わらず、それを維持したままその良さを最大限に発揮した活躍っぷりにも激萌えでした。
いやもう本当に『こんなにイイ女が』だよなぁ…早く大人になってソレに気づけよアギト! だが気付かぬゆえの、あの締まらないオチには、爆笑しつつ微笑ましく思わされました。
そうだよなぁ…常に忘れがちですが、彼らはまだ中学生なんだものなぁ(笑)
余裕の態度を演じつつも、ひとり続ける戦いの心細さに震え、それでも窮地の中から皆を案じる、ひっそりけなげなシムカにも萌え。
リンゴ、枢、シムカ…これだけの魅力的な女の子たちの『王子様』であるイッキ…うあテメ〜、イッキ! 主人公冥利に尽きるなぁ!