百舌谷さん逆上する 1巻/篠房六郎/講談社

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)金髪でツインテールの美少女小学生・百舌谷さん。転校生の彼女はツンデレ…『ヨーデフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害』を患う少女だった。
この『病気』の症状により、好意を持つ相手に攻撃的な言動を繰り返す百舌谷さんは、退かず媚びず省みず、早々にクラスの皆を拒絶して孤立した。けれどささいな誤解により、僕は彼女から『変態』と罵られ、その下僕として付き添うことになってしまう。
喜怒哀楽…そして『愛』による感情の起伏がジェットコースター級の百舌谷さんに振り回され、竜田君も、後藤さんも、みんながツンデレに!?
読み始めは「あ〜、言われてみればツンデレの振る舞いはある種の病気とも言えるかもなぁ」と、百舌谷さんのドラスティックな言動を笑いつつ読んでいたのですが、本当に好きな男の子ができて、彼とデートするために悪戦苦闘する彼女と、吐露された底の見えない絶望感を見て、その哀しさといじらしさに愛おしさを覚えました…はっ、コレが彼女の『デレ』部分か!? <いやそういう記号化が百舌谷さんを追いつめるワケじゃん
とはいえ、彼女の自虐と表裏のサディスティックな活躍っぷりと、それに巻き込まれる周囲の人々(特に悲運の下僕・カバ夫君)の狼狽っぷり、そして超回転の螺旋で予測不能な方向へ飛び出し爆発する展開の面白さには、やはり笑いが込み上げてしまいます。
読み手の感情をも巻き込み驀進する百舌谷さんとクラスメートたち。彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、今後の展開が今から待ち遠しいです。青春はツンデレだ!