09/1/1〜1/6
■ 『ひらひらひゅ〜ん/2巻』
- 作者: 西炯子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: コミック
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だが臨時の転校生・藤川に「ヘタクソ」呼ばわりされて感じる悔しさ…それと共に、そうつぶやいた彼の境遇や姿勢を想い遣った笹原他弓道部の面々は、初めて勝つための『真剣勝負』として射会へと臨む。
幼なじみの男子女子男子による、恋愛手前にしてこれぞ恋の醍醐味的なもどかしさ溢れる掌編。そして行きずりながらも『友情』の一言では治まらぬ、忘れ得ぬ縁を結ぶ笹原と藤川のやりとり。
当事者だけでなく、周辺の人々まで網羅する『絆』。彼らの高揚や逡巡、その吐息までもが伝わってくるような描写には、否応なく切なさが募りました。
ぶつかって、すれちがって、またぶつかって。その勢いで倒れちゃって。でもいつの間にか互いの手は繋がれちゃったりしてて。そんなリングアウト青春には、勝者も敗者もなく、ただ挑戦者の鮮やかな面影が残るのだ。なんてな!(照)
■ 『潔く柔く/9巻』
- 作者: いくえみ綾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: コミック
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そこに映し出された自身の姿に、彼女が見たものは何だったのか?
涙で曇る瞳。けれどそれを洗うのもまた涙。
射るのではなく優しく照らす光が、きっと麻美を暖かい場所へと連れ出してくれる…そう信じさせてくれた希望に溢る世界から、物語のバトンは最後の主人公・カンナへと渡る(いや、次巻ですが)
誰よりも傷ついたであろう彼女がどこへと歩み出すのか。カンナがたどり着く場所もまた、光溢れる場所であることを祈らずにはおられません。
■ 『ちょっと江戸まで/1巻』
- 作者: 津田雅美
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/01/05
- メディア: コミック
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そう…なんと舞台は長く、長く長く、更になが〜く続いてついには『現代』となった、平成20年の『江戸』!
世界で一番新しい『おとぎ話』が、のんびりホンワリと開幕です。
SFというよりファンタジーなパラレル江戸。1巻ではまだ現代要素の描写部分にはあまり面白味がないのですが、今後どうなるのかなぁと。
作中の国際政治や、文化や科学のレベル(というか発展具合)がどうなっているのか…てか、鎖国したままなのん?とかいう謎も多々。
でもこのまま雰囲気だけの『なんちゃって江戸』的緩さで行っても、話としては大筋の魅力に影響はなさげな気もしたり?
そう思わせてくれる、愛おしさ溢れる純朴な人々の活躍に期待しております。
■ 『夏目友人帳/7巻』
- 作者: 緑川ゆき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/01/05
- メディア: コミック
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ふたりを窮地から救った手負いの妖怪は、『妖(あやかし)を傷付け、その血を奪う者』の存在を告げ、夏目にその者を調べる手助けをして欲しいと言う。
だが、危険な存在に関わることで、身近な大切な人たちをも危難に巻き込むのではないかと恐れた夏目は…。
『自分と妖』、『自分と人間』、そして『妖と人間』…触れ交いながらも決して混じり合わぬものの境界を渡る、夏目の勇気と誠意、だからこその危うさ。
縁が繋がり世界が広がることで、危険と障害もまた高く立ち塞がる。それに逡巡しながらも自身の『願い』を貫こうとあがく夏目の成長が、心強くも心配になります。
人間の意思と妖怪の理。いずれそれらが決定的に断絶するのを目の当たりにした時、彼がどのような選択をするのか…けれど今の、そしてこれからの夏目には、繋いだ手の数だけ力強く支えてくれる存在があるだろうなと思うと、その苦難もきっと乗り越えられると信じられるのです。
『夏目遊戯帳』は、その片鱗を見せてくれる素敵な掌編でした。
しかし出だしが微妙にエロかったなぁアレ。ニャンコ先生が過去にやった人間形態だったら凄い萌えだなとか(笑)