09/2/27〜3/2

■ 『デイドリームネイション/2巻』

市役所の即売会で神の兄弟が再会&旧校舎の合宿で幽霊の姉妹と対決。
まったりグダグダなオモロやりとりで笑わされる傍ら、知春の創作者としての逡巡や、そこかしこで交わされる思いやりに満ちたエピソードにも心惹かれました。そんな青い春にクラクラしますよ(でも季節は延々と夏)
ソレはソレとして…神の力で変身すると、もれなく粘液が付いてくるのは仕様でしょうか? エロス!
加えて市役所で開催される当日参加可な即売会って凄いなぁと思ったら、市長洗脳済みですか! おそるべし神の力(笑)
しかし夏休みの原稿修羅場で製本地獄か…何もかもみな懐かしい(遠い目)

■ 『苺ましまろ/6巻』
苺ましまろ 6 (電撃コミックス)

苺ましまろ 6 (電撃コミックス)

2年に1度の刊行が基本となってきた最新刊。
『がんばれちぃちゃん』での千佳の奮闘っぷりは、読んでいるこっちの血圧が上がりそうでした。で、「この子がツッコミを止めたら、この作品はさぞカオスな話になるだろうなぁ…」と思っていたのですが、後に正にそのツッコミを入れない『つっこめ!ちぃちゃん』の話が。
しかしモノローグでツッコミを入れている上、対象である美羽のモノローグを読むと、一見その突拍子もない言動にも彼女なりの考えがあってのことなのだということが判明して、むしろ秩序立った展開の話になっていたなと。
そいやこのマンガで、登場人物がモノローグで語るのは、この話が初めてじゃないか?<とか思ったが、確認するのが面倒くさい
ちょっと面白かったので、このノリで過去の話にも『モノローグ』を付け、新装の『副音声版』として刊行するのはどうだろうとかいう思いつき。
読者としては面白そうだし、著者&出版側としてはさほど労なく稼げる素敵企画だと思うのですが如何?<素人の安い着想だ(^^;;)

■『PLUTO/7巻』
PLUTO 7 (ビッグコミックス)

PLUTO 7 (ビッグコミックス)

『地上最強の七体』とされたロボット、その六体までがプルートゥに破壊された。そして最後の一体となったエプシロンも、攫われた子供を救うためにプルートゥと対峙する。
アブラー博士が『彼』に託した感情。そして天馬博士がアトムに入れたゲジヒトの『魂』。それは憎悪か悲しみか、それとも他の何かなのか…目覚めたアトムとプルートゥの戦いが、きっとその答えを教えてくれる。
願わくば彼らに与えられた人の『心』が、ただ悲しみをもたらすだけのものではありませんように。
…てか次巻完結ですか!? 最終巻が出たら、もう一度1巻から通読して終幕を迎えねばな!

■『鉄腕バーディー EVOLUTION/1巻』
鉄腕バーディー EVOLUTION 1 (ビッグコミックス)

鉄腕バーディー EVOLUTION 1 (ビッグコミックス)

掲載誌移動に伴い、物語も2年を経過してのリスタート。
少し大人になったツトムと、相変わらずなカンジで復活したバーディーのコンビネーションは、(身体能力のシンクロ具合はともかく)ブランクを感じさせぬ名タッグっぷりで、ファンとしては一安心。
ですが事件に対して後手後手に回ってしまう部分も相変わらずで、その辺には多少もどかしさを感じますなぁ。しかしふたりの心は以前とは比べものにならないほど固く結ばれているので、いずれ来るであろう、ふたりの方から『攻める』展開に期待が募りますよ。
あ、オマケマンガの役者さんたちの活躍にも期待しておりますよ。メガネで冴えない素のバーディーさんがひっそりと萌えです(笑)

■ 『春期限定いちごタルト事件/後編』探偵と復讐者…優れた、だが日常とは遠いその能力に絶望し、それを封印して『小市民』として生きると誓った小鳩くんと小山内さん。けれど自分の自転車が奪われたことを我慢出来た小山内さんが、その自転車が無残な形で戻ってきたことにより暴走を始める。そして彼女を止めようとする小鳩くんもまた…。
あこがれの『小市民の星』は、すぐそこに見えるのに、どこよりも遠い!?
完結編の後編。原作では小鳩くんの思考ロジック(推理)がメインの見所だったエピソード。事件そのものの具体的な解決はあっさりまとめられてしまう話なので、マンガ(描画表現)としてはどうなるのかなぁと思っていたのですが…やっぱり盛り上がらなかったなぁと…(^^;;)
いや、作画はもの凄く頑張っているし、上手くえがいていると思うのですが、いかんせん元の話がアレなので、アクション的に盛り上がりようがないというか…。
いや、でも何だかんだ言って、マンガの小山内さんの愛らしさは素晴らしいと思っておりますので、(絵的に)分かり易く盛り上げられそうな夏期のコミック化に大きく期待しております。小山内さんの『狼』っぷりをこの絵で見られる日を心待ちにして…夏期も作画は同じ方ですよね?<予告で明言されていなかったので不安に…
しかし読んでいるとケーキが食べたくなって仕方がなくなる作品だよなぁ。

■ 『秘密/6巻』
秘密 6―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 6―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

『貝沼事件』により、薪室長一人を残し壊滅状態となった『第九』。その再結成のため移動してきた警視庁捜査一課のエリート警部・岡部は、薪の室長としての適性を危惧する上層部から彼の監視を命じられる。
不協和音響く再結成した『第九』の初めての仕事は、中年女性が同僚3人と通行人1人を殺害して自殺した事件の解明。薪の慇懃無礼な態度に反感を覚える岡部だったが、事件を追う渦中、過去の『亡霊』を目の当たりにして錯乱する薪の姿を見た彼は…。
今の『第九』の始まりの物語。苦労人の岡部さんは、昔からいい人で、それゆえにやはり苦労人であったという…頑張れ岡部さん!
エピソードは、第三者視点の『現実』ではなく、個人の認識からなる『主観』を映像として映し出すMRIの、「『主観』が『現実』とは必ずしも合致しない」ことの本質に焦点を当てたものでした。
人は誰も、誰一人として他者と『同じもの』を見てはいない。社会で『現実』とされるのは、膨大数の観測から生み出されるただの最大公約数からなる『現象』。そこに含まれながら零れる『個』の価値観…程度に差はあれ、人は誰しも自分の脳内に『楽園』を築いている。
決して他者と共有できない彼我のそれにどこまで依存するかにより、日常との乖離具合も決まる。社会生活を送る大抵の人は、幻想と日常の境界を客観視して折り合いを付けている。けれど『現実』の中で『自分』のままでは生きてゆけないと思った時…意思が死を選べないなら、その精神は『楽園』へと向かうしかないのではないか。それを『狂気』とするならば、その入口は思ったよりも自分の近くに開いているのかも知れず、その門をくぐった人間を安易に『哀れ』と断じることはできないのではないだろうか。
狂人を嫌悪するのは、彼らが住まう場所が恐ろしい、けれど本当は素晴らしい場所だと知っているからかもしれない…そんなこんなをつらつらと考えつつ。
でも言葉でまとめようとすると陳腐になってしまう辺りが自分の文才の限界というか、思考の稚拙さなのかなとも思いました。あーうー…orz

■ 『ジェネラル・ルージュの凱旋
ジェネラル・ルージュの凱旋 (ワンダーランドコミックス)

ジェネラル・ルージュの凱旋 (ワンダーランドコミックス)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)著者氏のファンなので気になって購読。
チーム・バチスタの栄光』の続編のマンガ版。バチスタも原作を読まずにドラマを観てしまったのですが、こちらも原作未読のまま読んでしまいました。
膨大情報量の小説を1冊のコミックスとしてまとめているので、恐らくあちこち端折られているのでしょうが、これ単独で読んでも特に物足りなかったり分かりにくかったりはしませんでした。つか面白かったです。
ともすれば地味になりがちな、収賄疑惑とその糾弾の密室劇を主眼に据えながら、救命救急センターで奮闘する医師や看護士たちの活躍を要所に据えて緩急を付け、なおかつハッピーエンドという力技。御都合的ではあるのでしょうが、それでも『将軍』速水の剛胆さや、しなやかな高潔さの魅力で納得させられてしまうなぁと。脇を支える人々の個性もまた素晴らしいものでした。
そいや終盤の大事故で運び込まれた、どこかで見たような患者さんたち…著者氏のファンには嬉しいカメオ出演でした。てか『来院時死亡』て…まぁ彼女は放っておいても死ななそうな気もしますが(笑)