世にも奇妙な物語

■ 『春の特別編』を視聴。
■ 奉仕という指針の先にある自己実現が、無私の名により既存価値を蹂躙する…それは無償の建前に溺れる受け手の思考を停止させ、その首を真綿で絞める温かさすら備え。
■ あらゆる利便に対価を求められる資本主義社会の価値観からすると、受け手が『不当利益を得ている』と錯覚し、負い目すら覚える『献身』という行為。
自己基盤を確立する価値観を、それにそぐわぬ一方的な利潤で満たすがゆえに、その受け手は抗えず、その異なる価値観に浸食・洗脳されてしまう恐怖に満ちた『ボランティア降臨』は、もうボランティアを演じる大竹しのぶのキャラクター性というか、演技力勝ちの一作だったよなぁと。あの存在の説得力が無ければ、きっともっと絵空事のファンタジ〜な話に感じられていた気がします。
■ オチのアレはある意味で理想とも言える互助社会なのでしょうが、『無私』というオブラートにくるまれた、『他者からの無言の批判』(というよりそれを想像し負い目を覚える自意識の内省的自己批判)により促された、自己啓発による(と信じる自意識に反し、実際には他者から発せられるプレッシャーに押し負けている)我欲の抑制』(だがそれこそが、自己実現に直結している…と思わされてしまう図式)に恐怖を覚えた物語でした…って、何を書いてるのだ自分は?
■ あ〜…う〜…とりあえず思いついた事を書き連ねてみたものの、読み返すと全然違うなぁ…この作品に感じた本質的な恐怖を言葉にする力が自分にはありませんよ。もどかしいなぁ…。