09/6/30〜7/4
■ 『PLUTO/8巻』
- 作者: 浦沢直樹,手塚治虫,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: コミック
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Dr. ルーズベルトが発した言葉に込められた『断絶』が、どうにもやるせなく印象に残りました。
創造者(生物)と創造物(機械)という上下の認識ではなく、心をもつ者が心を持つ者を思い遣るというという相互の関係であったならば…けれど相手を尊敬の気持ちをもって思い遣るのは、人間同士でも難しいのです。それは、『心』があるからこそ。
傷付けられた誇りから劣等感が生まれる。失われた愛によって悲しみが生まれる。心に抱いたものが損なわれる時…それがより高く掲げられたものであれば、墜とされた時にそれはより深くまで沈む。そして生じる痛みによって怒りが生まれ、それを収められぬ時に憎悪が心を塗りつぶす。
それでも作中で人とロボットが紡いでくれた様々な交流は、決して絶望だけではなかったと思うのです。そのぬくもりを知っていたからこそ、アトムは我を失わずにおられたのではないかとも。
…とかね、言葉で言うのは簡単なんですけどねー。正直自分にも「死ね…とは言わないがせめて自分の世界から消え失せろ」(まぁ実質的には『死の宣告』だよな)と願う相手はいるワケで。
社会や国家や世界…などという巨視の枠組み以前に、この日常生活であっても『心』がある限り、多分どんな関係の中にも諍いや『憎しみ』はなくならない…でも、それが無くなる日を想い、そのためにどうすればいいかを考え続けて挑み続けることで、世界はずっと優しいものになるように思えるのです。
心が黒っぽくなった時、自分もそのことを思い出したいと思います。
■ 『とめはねっ!/5巻』
- 作者: 河合克敏
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: コミック
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…という展開も熱いのですが、やはり今巻最注目は2年生トリオの結成秘話。あのあまりにもバラバラな3人が、如何に鉄壁トリオとなったのかの経緯がまた青春つか、中坊時代の加茂の恋が可愛いつか、やっぱ日野(ひろみ)ちゃん最強だよな! でもってよしみwww(笑)
他にもいまだ無自覚で進展のない縁と結紀の恋(未満)にやきもきしたり、いずれ邂逅するであろう真・ライバルな豊後高校の登場に今後の展開への期待が募ったり。全力爽快でも頻繁にトホホな鈴里高校書道部の躍進を、今後も楽しみにしています。
■ 『鉄腕バーディー EVOLUTION/2巻』
鉄腕バーディー EVOLUTION 2 (ビッグコミックス)
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: コミック
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…って、いやまぁ毎度ソレが彼らの『日常』なワケですが。
キャラ立ちまくりな『特殊部隊』の登場、加えてそのメンバーにあの彼が混じっているとなると、先行きに俄然興味が惹かれます。
しかし次々と新勢力が登場しては目まぐるしく攻守優劣敵味方と立ち位置を変えてくるので、正直もう何がどうなっているのか分からなくなってきました(馬鹿<てか読み返せばいいじゃん<全20巻を!?www)
そいやアニメ版。2期どころか1期もいまだに観られていない…orz
■ 『よみきりものの… たちこめるバラのかおり』
よみきりものの…たちこめるバラのかおり (BEAM COMIX)
- 作者: 竹本泉
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: コミック
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という本編はさておき、『実は2種類しかない』という著者氏による作品分類の境界線が猛烈に衝撃でした。『魔法少女物以外は全部ふつうのこの世界物』て! あれだけミラクルでもその全てが『ふつうの世界』扱いなのか!?
…でも、あの独特なバランス感覚でぼんより語られる物語を見ていると、そう言われても何か納得してしまえるのが恐ろしいという…(^^;;)
■ 『魔人探偵 脳噛ネウロ/22巻』
- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07/03
- メディア: コミック
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敵はあまりに邪悪で強大。だがその盤石を揺るがしたのは、小さな体に少しの勇気と鍛えられた心(あとゴイス食欲)を備えた、ちっぽけな少女のまっすぐな『誠意』だった。
弥子の脳内串焼きにさりげにネウロが刺さっていて爆笑。深層意識ではアレすらも『食料』として狙っているというのか!?(違)
過去の敵が再登場したり、ネウロと弥子が今こそ主従ではなく『相棒』として想いを託し合ったり、敵も味方もその『進化』を存分に見せてくれたり…などなど、クライマックスに相応しい盛り上がりを演出する様々な要素とエピソードのコンボがひたすらに熱かったです。
特に一度は弥子の『答え』(言葉)を拒絶したXiが、弥子の『心』と繋がることでその真の想いを知り、その中から自分で自分が望む『正体』を掴み上げる(その行為こそが『自分』なのだ)という流れが素晴らしかった。
そして彼女がXiとして選んだ、その最後の振る舞いがまた…。
次巻、ついに全てが決着。それを心待ちにしながら寂しい気持ちも覚えます。
■ 『夏目友人帳/8巻』
- 作者: 緑川ゆき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/07/03
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「心通わせる機会があるなら恐れぬことだ」とあやかしは告げた。
そして「……むずかしいことなのだ」とも。
けれど。だからこそ。
心許せるものたちが側にいる今も、夏目の影に見え隠れする『寄る辺無さ』。その根にあり今なお彼を離さぬ(彼が離せぬ)『寂しさ』の原形が見えた過去の話が、どうにも切なく愛おしく。
その孤独と渇望の闇がいまだ彼を捕らえていて、それを心から拭えぬとしても、少し大人になった彼になら、それを丸ごとくるんで暖められる未来に辿り着けると信じているのです。
どうかどうか、例え明るいばかりではなくても、彼の辿り着く未来が優しく温かいもので満ちていますように。
■ 『っポイ!/27巻』
- 作者: やまざき貴子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/07/03
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登場人物がやたらと多いためにその辺を細かく捌いていると話が頻繁に脇道に逸れ、なかなか平の恋バナが展開しない罠。もういいかげんにその辺をハッキリとして頂きたいと切望。
つーか何故あの流れで万里とのなれそめ(でもないか)話ですか!? やっぱり最後に選ぶのは万里かよ!? (笑)
とかいうヨタはさておき、次巻こそ平とヒナとマコトの甘酸っぱく身もだえるような初恋物語の決着を見たいと切望。
■ 『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編/2巻』
ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編 2 (Gファンタジーコミックス)
- 作者: 竜騎士07,桃山ひなせ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/06/22
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『現実の壁』に挑む地味で重い展開を、表情やアングルのメリハリで飽きさせずに魅せてくれるなぁ…というワケで、前巻感じた違和感は、今巻ではさほど感じませんでした。著者氏は進化しておられる!
あー、でも個人的には『圭一<詩音<レナ』な、能力値が明確(笑)に表現された『抹殺までの秒換算』のやりとりは残しておいて欲しかったなぁという残念さが<ん?アレって皆殺し編じゃなかったっけ?
■ 『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編/2巻』
- 作者: 竜騎士07,鈴羅木かりん
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/06/22
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そう…そして、ここがその『最果て』。
伏せられていた舞台裏が次々と明かされてゆく『カケラ紡ぎ』は、まだ始まったばかり。『謎』とされていた事象が解かれてゆく描写も興味深いですが、それにまつわる人々の『想い』の在りように心惹かれます。
大団円まではまだまだ遠いですが、時間をかけてじっくりとえがいていって頂きたいものです。
■ 『ひぐらしのなく頃に 語咄し編/6、7巻』
ひぐらしのなく頃に 語咄し編 コミックアンソロジーEX.第六集 (ガンガンコミックスアンソロジー)
- 作者: スクウェア・エニックス
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/06/22
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ひぐらしのなく頃に 語咄し編 コミックアンソロジーEX.第七集 (ガンガンコミックスアンソロジー)
- 作者: スクウェア・エニックス
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/06/22
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いつも一番『らしい』話を担当されている(そして『らしく』えがかれている)、宗一郎氏の作品(てか、原作は小説アンソロですが<そいやそっちの作者の表記をしてないよな、この作品集?)の描写が相変わらずツボです。でも次はこの方のハッピーエンドの話も読んでみたいですなー。