09/9/30

■ 『大奥／5巻』

大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)

権勢の頂点におわす将軍でありながら、だが、女。『個』であることを許されぬ、その座が纏うかくも重き責務は愛憎と、ゆえこその孤独を生む。
大いなる奔流に女と、それにまつわる男の『想い』は呑まれて消え、後にはただ為政と行状の『記録』のみが記され…それが『歴史』として残された。
…というワケで、『犬公方』と呼ばれた5代将軍の哀しき胸のうちを綴ったエピソードも終盤。そして物語始まりの『吉宗』が、いまだその未来を知らぬ少女として登場。幼少の頃から聡明であられるなぁ。しかしその治世はまだ2代先。彼女にバトンの回る前、次なる天下人の生き様は我々に何を見せてくれるのか…目の離せぬ作品です。