11/15〜11/18
■ 『秘密/7巻』
- 作者: 清水玲子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/10/29
- メディア: コミック
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被害者救出の前に立ち塞がるのは、国交と法の厚き『壁』。停船命令を受け入れぬ外国船に対し、大臣であり父である千堂が成す決断とは!?
…だが一連の出来事は、かつて同じ『壁』に阻まれて愛する娘を奪われた『父』による、恐ろしくも哀しい復讐劇の幕開けでしかなかった…。
幾重にも隠された真実と権力の横暴が絡み合い、高度に複雑化した事件に挑む『第九』の面々…とりわけ薪の奮闘。そして使命と人名の重みに耐えて毅然と挑む薪の震える手を、その孤独を見た青木の決断。
一転二転し常に緊張感を失わぬ事件の謎に心惹かれながら、その状況下での薪と青木…両者の奮闘と葛藤、その繋がりを丹念にえがく描写に魅入らされました。うーむ…色々な意味で取り分け濃密な巻だったなぁ…。
しかし青木のあの、天然にも程があるたらしっぷりはどうなのかと?<茶化すなよ(^^;;)
最後にようやくその全容が見える、事件とそこに秘められたいびつな『秘密』が生んだ容赦なき現実。序盤で千堂を諭した薪の、「総ての行いはご自身へと帰っていきます」という一言が重く、そして牧の静かな怒りと悲しみが深く響く幕引きでした。
■ 『メテオ・メトセラ/10巻』
- 作者: 尾崎かおり
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2009/10/24
- メディア: コミック
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離れてなおユカを思うレインとマチカは、放っておけぬと彼に逢いに向かうが、その時カルバリアはユカを仇と狙う恐るべき『復讐者』の襲撃を受けていた。
心から自分を思ってくれる者、そして全てを拒絶する孤独の淵でなお自分が思い出した者…それに気付き心動かされたユカとシャレム。けれど時計は犯した罪を刻むように、彼らの時間を滅びへと進めるだけ…。
それでも「忘れられない」「忘れたくない」と言ったふたりの癒えぬ悲しみ、それと同じだけ深かった愛は、ひとときでも彼らと繋がった者たちの胸に染み渡る。
次巻、ついに完結。どんなに悲しい別れがあろうとも、どうかどうか、どうか最後にみんなが笑顔を見せてくれますように。
■ 『DARKER THAN BLACK −漆黒の花−/1巻』
DARKER THAN BLACK ~漆黒の花~ 1 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 岩原裕二,BONES,岡村天斎
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/10/24
- メディア: コミック
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アニメの第一期と二期を繋ぐ空白の期間をえがくオリジナル展開。
キャラデザを手がけた著者氏自らによる充実の作画に加え、躍動感溢れる描写とテンポの良い話運びで、作品ファンでなくとも見応えのある1作になっていようかと。
しかしこのテンポだと、あと1、2冊でまとまってしまいそうなエピソードだよなと。2期の放映に合わせた戦略的連載なんでしょうかね?
ちうか銀かわいいよ銀。そんな銀に微笑んだりする黒…ふたりの間に一体何が…アニメの方でも早く元気な銀の姿を拝みたいものです。
■ 『シュトヘル/2巻』
シュトヘル 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 伊藤悠
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/10/30
- メディア: コミック
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容赦のない殺戮を成し『悪霊』と呼ばれるほどの能力(ちから)を持つシュトヘル。しかし『文字』が秘める価値に心振るわせ、弱きユルールが芯に抱くその意思の強さに触れた時…復讐という『器』を残してからっぽになっていた筈の彼女の中で、何かが生まれようとしていた。
だが、『悪霊』のもつ『からっぽの絶望』を美しいと感じる男が、ふたりの繋がりを断とうと…。
ってアレ? うっかりあらすじ書ききってね?(^^;;)
いやいや、重要なのはこの超大筋の合間を埋める、シュトヘルの舞う様な死闘や底の見えぬ心の暗がり。そこに小さな光が灯る様。そしてユルールの、迷いながらも挫けず一刻と強さを増す意思の輝き。それからそんなふたりが束の間向かい合う時の、ささやかな温もり。そんな数々の描写だったりするのですよ。これぞ絵力…たまらぬですなぁ。
そして巻末…相変わらず冴えたネタだなぁ。てかオモロ萌え過ぎですよ。
毎回8P位で実際にifネタを描いて頂けぬだろうかと切望。