10/3/11〜3/14

■ 『弱虫ペダル/10巻』

弱虫ペダル 10 (少年チャンピオンコミックス)

弱虫ペダル 10 (少年チャンピオンコミックス)

スプリントのために鍛え抜かれた筋肉をもち、余裕さえ見せて圧倒的な実力差を誇示する箱学の泉田。強い意思と曲げられぬ意地を路面に刻み、それを猛追するのは鳴子&田所。『最速』の称号を賭けた全力勝負の果てに、ゴールを射抜く『槍』は誰のものなのか。
それぞれに個性的な戦術、美学、意思、そして現在の肥やしとなった過去。
そのどれもが熱く尊い魅力に輝いているけれど、勝者は常に『ただ一人』。
ぅ〜んッ! 今巻も熱い!!!
勝者と敗者を分ける『要因』とされたものを、理屈だけでなく実感として受けとめられる試合展開とそのドラマ要素…キャラクターの魅力だけでなく、物語作法の妙味も味わい深かったです。
この先、他の総北メンバーが迎える激闘でもきっと、その『勝利と敗北』が語る『異なる要因』が見られるのだろうなぁと思うと、先の展開が楽しみですよ。
次はいよいよクライム勝負。先頭の座を奪われた箱学がこのままだとは思えませんし、御堂筋の不気味な胎動も気になる所で。敵味方の区別無く、彼らが見せてくれるであろう活躍を心待ちにしております。

■ 『Waltz/1巻』
Waltz 1 (少年サンデーコミックス)

Waltz 1 (少年サンデーコミックス)

「弱ければ死んで当然。」
当たり前に思っていた事は誰にも理解されず、けれど彼はただそのように生きて、また、生きるためにそのようにした。
そんな『殺し屋』とは名ばかりの…いや、その『名』すら持たぬ孤独な『人殺し』の少年が出会ったのは、『殺し屋』を道具として扱う昆虫顔の男・岩西だった。
『魔王』から遡ること4年。蝉と岩西の出逢いの物語が開幕…てか、何この『マイフェアレディ』てか『蝉(プリンセス)メーカー』!(笑)
よりピーキーな少年時代の蝉の、野良犬てか野良にゃんこなツンツンツンデレっぷりには、「やっぱ蝉は『ヒロイン』だよなぁ」と再認識させられました<異論は受け付ける! だが認めない!(何そのムダな勢い)
そんな蝉が岩西との邂逅で変わってゆき、岩西もまた蝉を育てることで自分の価値観を変革させてゆく…であろう今後の展開。ふたりの関係性の変化も興味深い所です。
ちうか桃さん…たった4年で何があなたを変えてしまったのか…<あの膨大な甘味の数々が物語っている気もしますが(涙)
さて、『魔王』の時と同じく、『対決』という言葉がキーワードとなっている本作。
『避けられぬもの』と出会う時、誰もが一度はそれと向かい合う。そこで逃げ出せばそれっきりだが、それに挑むと決めた者は『対決』せねばならない。
だがそれは、境遇や試練や敵という外因だけでなく、時にはそれを迎える自己の意識や認識だったりもする。
この物語に登場するのは、望むと望まざるにかかわらず、それでも『対決』する人々だ。彼らが何と向かい合い、どのような勝利を手にし、あるいは敗北にまみれるのか…そこに垣間見えるものに目と心を奪われながら、いつしか読み手もまた、何かと『対決』するのだろうという気がします。
その時が少し怖ろしく、けれどその時が来るのを待ちながらも物語を追う間は、その恐れすら塗りつぶす恍惚の時間になるだろうとも思うのです。

■ 『娚の一生/3巻』
娚の一生 3 (フラワーコミックス)

娚の一生 3 (フラワーコミックス)

何度もためらい、迷い、すれ違いながら、少しずつ互いへと寄せる愛を深めてきたつぐみと海江田。だがその繋がりがようやく結実しようかという矢先、つぐみが過去に残してきた遺恨が、最後にふたりを試すように大きく立ちはだかった。
あれこれと問題はわき上がってきても、ここまでは割と日常の延長だった物語ですが、この段にいたって次々と『非日常』の問題がふたりを襲い、「え、同じ作品!?」と度肝を抜かれたり。いやまぁ現実にも『起こりうる』話ではあるのですが、立て続けだったので少々意外に思ったりも。
けれど衝撃的な出来事の中からも、ふたりが汲み取ったものはシンプルで等身大の、けれどかけがえのない『想い』で、そこから至ったシンプルな『幸せのかたち』には、染み入るような暖かさを覚えました。あるべきものが収まるべき場所に、スッポリとはまったのを見た時のような心地よさ。
事後を少し語る『巻末ふろく』もまた、今までの余韻とこれからも続くであろうと信じられる彼らの『しあわせ』が感じられて、何とも満ち足りた気持ちにさせて頂きました。共に白髪の生えるまで…まぁ海江田先生には頑張って超長生きして頂いて(笑)、いついつまでもお幸せに。

■ 『学園天国パラドキシア/5巻』
学園天国パラドキシア 5巻 (IDコミックス)

学園天国パラドキシア 5巻 (IDコミックス)

しまった、限定版は寧々さまver.だったかっ!!(知らずに通常版を買ってしまいました…)
読めば笑うと分かっているのに、何故弁当を食べながら読んでしまったのか自分よ…鼻から米がwww
特に爆笑したのは『ラブ米神』さまの話。世の男子垂涎の『ラッキースケベ効果』が、このメンツに囲まれて実装されるとここまで嬉しくない能力になろうとは…オソロシオモロイ。
テコ入れな死神少女・アリカの設定とルックスに反した微妙なキャラの薄さ(笑)や、今巻もツンデレちうかもうフツーに不器用な片想い少女な寧々さま(43話の最終Pが秀逸過ぎ!/あと生ふくらはぎもいいけどやっぱニーソだよネ!)に、ちょっとだけ登場なのに愛らしさ満点のメリーさんも素晴らしかったのですが…今巻MVPはまさかの本家(だがヨゴレ)ヒロイン・凛ちゃんの「…私も〜…」の姿でした。
うわナニあの、今までが今までだけに(<ひでぇ)超絶ミラクルな効果を生んだギャップ萌え! 直後の照れ具合もいいし、その更に後のいつも通りのヨゴレっぷりすらも前Pの萌えを引き立てる追いダシ効果ですよ!(意味不明)
その恐るべき潜在ヒロイン力を認めつつ、もう凛ちゃんは、『ヒロイン番長』でいいと思うんだ!(何を言っているのか…)