10/4/2〜4/4

■ 『真月奇譚 月姫/8巻』

真月譚月姫 8 (電撃コミックス)

真月譚月姫 8 (電撃コミックス)

志貴vsシキ、そしてアルクvsシキ(ロア)の派手なバトルも熱かったのですが、やはり最大の盛り上がりは、志貴のもの凄い愛の告白と、それを影ながら受けたアルクの無言のリアクション(けれど雄弁に伝わる歓喜)でした。
例え互いが見えず、その手が互いに触れずとも、その瞬間、確かに『抱擁』は為されたのだとでも言うような…いや〜ん!もどかしラヴい!<キモコメント
しかし「言うことを聞かないんだったら」に続く志貴の台詞は、ゲームプレイ時にはさほど気にしていなかったのですが、マンガとして読むと「え〜ソレなのか〜?(^^;;)」という微妙な違和感が<いや女性相手の恫喝では、最も卑劣で切羽詰まる台詞でしょうが<まぁソレが通用しないシエル先輩なワケですが…って、ああ、逆にだからこその『逆説的な切迫感』でもあるのか?
…と、噛ませ犬ポジションで大活躍なシエル先輩の勇姿に萌えるモノの、「誰かそんなシエル先輩も幸せにしてくれよ…orz」と、シエルルートの残像が脳裏をかすめますよ。

■ 『夏のあらし!/7巻』
夏のあらし! 7 (ガンガンコミックス)

夏のあらし! 7 (ガンガンコミックス)

強大な戦禍に呑まれて消える、あまりにも多くの人の体と命。人の存在や尊厳が物のように踏みにじられて消える残酷な『事実』に打ちのめされて蹲る潤に、「それでも…心なんだ」と『人が生きる意味』を告げるはじめ。
その行動により、口にする『理想』に綺麗事ではなく『真実』たる重みを持たせたはじめ…お前はなんていい男になっちまってなぁ…(T▽T)
『恋』が少年を男にした…というと陳腐ですが、正にそのように成熟へ向かうはじめの成長と、そのはじめへの気持ちを意識することで『幽霊』から『少女』へと回帰するあらしの告げた本心や流した涙の熱さが心に染み入りました。
そんなふたりの互いを想い合う真摯で熱い気持ちが、そして加奈子の哀しみが、やよゐの勇気が、カヤの思いやりが、潤の決意が、どうか優しい形で結ばれますようにと願わずにおられません。

■ 『新世紀エヴァンゲリオン/12巻』
新世紀エヴァンゲリオン 12 (角川コミックス・エース 12-12)

新世紀エヴァンゲリオン 12 (角川コミックス・エース 12-12)

終わりの始まりで先ず語られたのは、アスカの復活とミサトの退場。
寄る辺を失い、それでも『未来』を託され、わずかな勇気に背を押されて駆け出したシンジの最後の闘いが始まる。
アニメ版では割と救いのない描写のアレコレが、貞本コミックス版では補正&補完されていたりするのですが、今巻のシンジとアスカ、そしてアスカの復活でもその辺りがいい具合にフォローされていてプチ安心。
しかし以降の展開の壮絶さを思うと、今後のマンガ版ではどのような描写になるのか…不安と期待で惑いながら、やはり目は離せないなと思います。

■ 『ペルソナ4/2巻』
ペルソナ4 2 (電撃コミックス)

ペルソナ4 2 (電撃コミックス)

やっぱねー、この千枝と雪子の絶対運命黙示録チックなエピソードは萌え&燃えるやねー! その辺りをゲーム版に忠実に、かつ美味しい所を上手くチョイスしながらアレンジもしたエピソード展開の妙味に酔いしれました。
疑似ラブだけどあくまで友情な匙加減と節度の、ラブラブ甘酸っぱい女の子同士の関係性がたまらぬのですよ! いい!
更に菜々子ちゃんのけなげ幼女っぷりで切ない気持ちにさせられつつ、リリカル番長&萌え探偵の活躍を予告するような引き。続巻が楽しみであります。
…が、リリカル番長のウホッ銭湯…アレをマンガで読んだら笑い死にするかもしれぬ(笑)

■ 『てけてけマイハート/8巻』
てけてけマイハート(8) (バンブーコミックス)

てけてけマイハート(8) (バンブーコミックス)

引っ越し騒動後の、のぞみとしげると愉快な親族…をさておき、のぞみの友人のなみこが電撃結婚&ご懐妊。加えてしげるのいとこが子連れで来訪したことにより、愉快な親族からの孫希望のプレッシャーが、のぞみとしげるに襲いかかる!?
ほんわりぼにゃりな展開に、妙に生々しいあるあるネタが…まぁ避けて通れぬ話題なので、のんびり夫婦がどうなるのかも気になる所。
しかし正直、あのふたりがナニをいたしている図が想像できんちうかネ!?(という言い草も微妙に生臭い)
『実はこのあと驚愕の展開に』という巻末の台詞が気になりつつ、次巻刊行をお待ちしております。

■ 『なげやり/1・2巻』
なげやり1 なぁゲームをやろうじゃないか!! (BEAM COMIX)

なげやり1 なぁゲームをやろうじゃないか!! (BEAM COMIX)

なげやり2 なぁゲームをやろうじゃないか!! (BEAM COMIX)

なげやり2 なぁゲームをやろうじゃないか!! (BEAM COMIX)

あんなこんなゲームをネタに、二回転半ひねりであさっての方向に着地するレビュー(してないよ)マンガ。
10年前に刊行された講談社版のセレクト&未収録分を収めたということなので、ファンとしてはマストアイテムちうか、ぶっちゃけ著者氏へのお布施として購入すべきかと(最近このパターンでの刊行が続くので、現在の著者氏の状態が大変に心配であり…)
まぁ舞台裏への不安はさておき、年月を経た今でも、元ネタゲームを知らずとも面白く読めるのは流石。担当編集者による裏話掲載されていて面白さ2倍…「てか、エムカミさん、講談社からebへ…」とか思うと、ソレもソレで何やら感慨深いちうか色々なことを想像して遠い目に…(^^;;)

■ 『水面座高校文化祭/1巻』
水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)

水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)

かつての女子校が共学となり3年…古い世代の卒業により、ようやく『自由』な文化祭が開催されることとなった水面座高校。
文化祭委員会長の都が八面六臂の活躍を活躍を繰り広げる傍ら、イベントに関わる様々な人々による、日常と非日常の垣根を越えた物語が綴られ始めた。
『文化祭』という、ある種異次元の『箱庭』の中、参加する誰もが主役たりうるイベントは様々な側面を見せながらそれぞれに進行し、けれどどこかで繋がり絡み合いもつれながら、さながらパレードのように進んでゆく。
読み手までをも参加者として巻き込み始まった奇想天外摩訶不思議な『文化祭』は、まだ始まったばかり。
どこへ向かうか分からぬ狂騒の宴に喜んで身を委ねつつ、この馬鹿騒ぎが辿り着く先を(その終わりが一刻でも遅くなりますようにと願いつつ)楽しみにしたいと思います。

■ 『DARKER THAN BLACK −漆黒の花−/2巻』裏切られた愛に嘆き手に入れた力は、友人を喪った哀しみにより花開いた。絶大な力により復讐者として生まれ変わった少女が振るう凶刃…だがその前に、彼女を救わんとする黒が立ちはだかる。
状況は二転三転し、更なる混沌の坩堝へ…てか「そもそも何でこんなことになってるんだっけ?」というTV版一期の展開が脳内から失われてきていてピンチです(^^;;)
やっぱ『完全読本』とか読まんとアカンかなぁ…でもそこまでの興味ではないのだよなぁ…悩ましい。

■ 『BILLY BAT/3巻』
BILLY BAT(3) (モーニングKC)

BILLY BAT(3) (モーニングKC)

同じ里の仲間…想い出という絆で結ばれた幼なじみでありながら、派閥により敵味方に分かたれ闘うことを余儀なくされた志能備の若者たち。彼らが命を賭して奪い合ったのは、どこにでもありそうな一巻の巻物。だがそこには遠き未来へと渡る『歴史の真実』が記されていた。
関わる人々を濁流へと呑み込むもの。そしてそれを誘う黒きコウモリの姿。時と場所を移しながら、物語は転変し続ける。
大筋である『ビリーバットの物語』から派生し続ける新たな物語。
端的に言えば『運命』というそれに関わった人々の物語は、大流からは枝葉末節に見えても、その集合体こそが観測者に見える全図をえがきだすものなのだろうかもなぁと思い。
とかいう御託はさておき、挿話でありながらもそれぞれが読み手の注視を誘う魅力的なエピソードで、その時々で興奮させられつつ、それら全てから繋がる先に待ち受けるであろうコウモリの『本体』への興味はいや増してゆくのです。

■ 『血まみれスケバンチェーンソー/1巻』
血まみれスケバンチェーンソー 1 (ビームコミックス)

血まみれスケバンチェーンソー 1 (ビームコミックス)

仲のいいい奴悪い奴、有象無象のクラスメートたちが、ある日を境に改造死体として自分の命を狙いに来た。その背後にいるのは狂気の天才科学者・碧井ネロ。対するのは無頼派スケバン・鋸村ギーコ。問答無用の襲撃をチェーンソーで薙ぎ払い、諸悪の根元ネロを探してギーコは戦い続ける!
ビックリにも程がある改造死体vsミニスカセーラーwithチェーンソー中学生ギーコの、デタラメ上等愉快痛快奇想天外スプラッタバトル。
いやもー著者氏の趣味全開でやりたい放題な、行き当たりバッタリでショッキンな展開に笑いつつも燃えたりする最新作。
ツッコミ所満載なのに圧倒的な勢いに呑まれたり。あるいはリアルに考えると割と悲壮な展開の筈なのに、妙に日常的な感覚によるツッコミや描写が差し込まれるシュールさに笑わされたり。しかもアレだけやらかしてるのに社会的には何ら問題になっていなさげな状況。いやもー何もかが面白すぎですわ!
てか顔が見えないのに雄弁でグラマラスな爆谷とギーコのやりとりが大層萌えるのですが…しかもあの引き!(だが著者氏の過去パターンを鑑みると、割と身も蓋もない展開しか予想できないwww)
「えー、ソコから!?」というありえない状況から友情が芽生えたり、意外とそういうキャラが長生きして活躍したりするのが、著者氏の作品の魅力だったりもするので、私的にはぜひ爆谷にはギーコの仲間になって頂きたいなと切望。