本末転倒@嘘喰い


■ 『目的と手段が入れ替わる』どころか、『手段のために目的が損なわれる』…いわば『毒を喰らわざるには皿ごと叩き割る』という話の類型ネタ(…か?)



■ UP時はもう水曜朝なので、今週の220話感想。
■ 『掴むもの…』、それは誰(者)で、それは何(物)を?
■ 場の進行に合わせて開示されてゆく、物語の水面下に伏せられていた情報手札の数々。
しかしそれらもまだ断片的、かつ各々の真意が判然としないものなので、とりあえずそれらに対する疑問を、以下に箇条書きにしておこうかと。

  • 梟と捨隈の勝負をカメラ越しに見ていたのは、どんな立場のどんな人物か
  • 撻器はその『監視者』の存在に勘付いている(あるいは知っている)ような気配だったが、双方に何らかの関係性はあるのか
  • 「アテが外れた」と言う斑目さんの、当初の『アテ』(予想や目論見や算段)というものが、いかなるモノだったのか
  • 捨隈やレオの『運用』は、蘭子個人による計画なのか、その背後に更に大きな存在があるのか(アイデアルの介入等)



■ 「『論理的思考と心理的駆け引きにより、捨隈から珠の正解数を引き出す』のが斑目さんの望んだことであり、故にその策の一環としてある程度の推測(アテ)をもって、『安全地帯である1Fフロアを離れた』のではなかろうか?」…と思うのですが、その結果が現在の状況で、あの状態の捨隈相手にソレを求めることはかなり難しそうです。
■ 捨隈を『駆け引き勝負が可能な程度の正気に戻す』ためには、『最上階での入力が失敗している事実を実感的に認識させる』ことが必要だと思われますが、その事実情報を持つマルコが超窮地に陥っている現状。

■ 「見た目で判断するな」 「1人じゃ無理だ」等のレオの言葉は、てっきりマルコに掛けられたモノと思いきや、思いっきりモミー(捨隈側)とグルだったという驚愕展開。
…てか『モミー』て! 相変わらずマルコの言語センス(というか著者氏のネーミングセンス)はダイレクトな破壊力があるよなぁwww
■ その方針が彼女のものであるか、その背後に居る(かもしれない)者の思惑であったかはともかく、梟との勝負を勝ち逃げした捨隈を隠蔽・保護していたのは蘭子だった模様。
確かに彼女にはそれを成すのに十分な金と暴が備わっているよなと。
■ という一連の流れを思うと、ここで改めて気になってくるのが『蘭子の専属立会人は誰なのか?』という点。
以前、206話の感想記載時に、「捨隈と梟の勝負に於いて、『梟の専属である零號が立会い=捨隈が零號に面識を持ち、彼が零號を第二位の専属に出来た状況』を作為的に作れるか?」という妄想説を展開したのですが、そこで仮定した『参拾伍號を専属とする会員A(仮称)』が蘭子だということもあり得るのかどうか?<いや、蘭子がアイデアルの関係者かどうかは(今の段階では)別問題ですが
■ ソリャソレとして、今回の「好きよ」で捨隈の『使い捨てられフラグ』が濃厚になったなぁ…不憫ではあるが、彼にあの蘭子は荷が重すぎるだろうて(^^;;)

■ といった物語の進行部分も大層興味深い回でしたが、今回私的に一番印象的だったのは、主人公である斑目さんによる奮戦の光景でした。
■ 「俺は確かに弱い存在だが 無償(タダ)で渡せる安い命は持ってない」
■ …今までも何度も、斑目さんの言動や彼の抱く美学やその勝負を「ゴイスカッチョいい!」とは思って来ましたが、今回の斑目さんの『闘う姿』を見て、自分は初めて本当の意味で彼を「この人は、格好いいなぁ…」と思った気がします。
■ 『単純な身体能力値を基準とした場合の[生物としての強さ]』を考えると間違いなく最弱部類にあるであろう斑目さんが、『それを補う知能と精神力を武器にできる[人間としての強さ]』をもって他を凌駕する。
その様に魅了されるのが、この作品の醍醐味のひとつだと思うのですが、そんな斑目さんの芯にある『[弱き人という生物]として自己を認識しつつも、だがその根元に備わっている最小限ながらも最強の矜持』が、あの先に挙げた台詞と、それに伴い彼が取った行動に凝縮されていた気がして、猛烈に心を掴まれました。
■ …が、↑ その感覚を上手く言葉で表現できてない…orz

■ でもって年末合併号なため、今回のこの『超絶大回転で急展開!待て次号!』な状態で2週間待ちという精神的な拷問が…いやファンだから耐えるよ耐えるけどもさ! マジ辛ぇ〜っ!!! Σ(T皿T)