11/1/12〜1/14

■ 『ラディカル・ホスピタル/20巻』

祝・20巻。『いつ、どこから読んでも安定の面白さ』というのは、よく考えるまでもなく凄いことですよな。
今巻は吉田さんエピソード時の、リトルナースな幼女吉田さんのカットが萌え過ぎて死ねました。あと、榊先生の大学生過去話は、オモロいが切ないよな…。

■ 『のりりん/2巻』
のりりん(2) (イブニングKC)

のりりん(2) (イブニングKC)

ロードバイクの『HOW TO』を織り込みつつ、トホホコミカルに進行する2巻。
お母さんのストーリーに対する辣腕牽引力が猛烈過ぎで恐い反面、あのカリスマ的なドSっぷりにはうっかり「自分も支配されてみたい…」と思ってしまいます。<『アメとムチ』の、種類と質と比率の絶妙チョイスがスゲェ!(^^;;)

■ 『なにもかもちがってますか/1巻』
なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

「仕方なく」、「良かれと思って」、「自分なりに考えて」。
…「あんなことになるとは思ってなかった」。
そんな言い訳が聞こえて来そうな日比野の行動とその結果には、心の傷を理論と傲慢で補強・武装した一社の存在よりも、ぞわぞわする静かな不快感(というほど能動的ではないな…曖昧な不安感?)を感じます。しかし、決して『嫌悪感』ではないのがミソ。<この辺りの匙加減の巧みさが、著者氏のキャラクター造形の妙味かと?
自らの力でありながらも『自らの延長』とは認識できていない強大な能力を、無自覚無責任に、しかも基本『汎的善意』(それはまま、『社会常識的に肯定される高揚感に溺れ、その本質や弊害を考察する想像力を欠く』場合が少なくない)の立ち位置から振るい、『とりかえしのつかぬ状況』を生んでしまった日比野。
『手を触れず証拠も残さず人を殺せる力』を持つ彼の、誠意と善意と目的なき意志が、どのような変革を経てどこに辿り着くのか?
この物語を『世直しごっこ』と形容した著者氏の言葉を噛みしめつつ、その行く末を興味深く見つめてゆきたいと思います。

■ 『DARKER THAN BLACK 漆黒の花/3巻』そろそろ基本設定(アニメ版ストーリー)を忘れかけてきた…つーかもういっそ、このマンガ版とかが完結した後で、アニメ版を観返した方がいいのかなと思い始めたり。
つか銀かぁいいよ銀! 耳メガネっ子少年・パーセルとチャンプのエピソードも、定型定番ながら熱かったです。だがミーナが…惜し過ぎる…orz

■ 『顔のない女』
顔のない女

顔のない女

深く被った帽子のつばで顔の半ばを隠した、[殺し屋専門の殺し屋]・『顔のない女』。『組織』の命を受けた彼女が自由奔放な態度と強力無比なその能力で、縦横無尽八面六臂の活躍を魅せながら辿り着いた『真実』とは?
ゴシックで定番。悪く言えば紋切り型…けれどその良い部分を前面に押し出せば『シンプルな王道』。そんな痛快で、要所にスパイスの利いた筋立ての短編連作集。さりげに魔実也の姿も拝めるファンサービス付き!
顔のほとんどを帽子で隠しつつも、そこに伏せられた素顔が美貌だと確信できる彼女の姿…著者氏の味わい深い造形と描線だからこそ、『美女』として成立するキャラクターだと思いますよ。僅かに垣間見える頬と鼻と口の表現で、マジでエロ萌え死ねますわアレ!
なのですが…帯の『「顔のない女の顔」を描いて高橋葉介先生からプレゼントをもらおう!』とかいうキャンペーンて…いやネタとしてはアリなのかとも思いつつ、やっぱ読者層や作品世界を考えると、プロとかがコラボ的な意味でやるならともかく、ファン層(素人)からソレを募るのは違うよなぁ何か…。
いやでも凄い才能とかが発掘されたりするのか!?<だが多分ソレはない…。
『高橋先生の愛読書(サイン入り)』や『サイン色紙』とかは、確かに激しく魅力的なのですが…やはりこの企画は『ファンサービス』ではあっても、作品世界を微妙にくすませる気がするのですよな…と、まぁごく私的な意見です。