連載分感想(240話)

■ UP時はもう木曜朝なので、今週の240話感想。
■ レオと雹吾の卓抜した戦闘力とコンビネーションを印象づけつつ、そんな手練れとの二対一の死闘を捌き切り更に上を行くカラカルの強さを雄弁に魅せる超絶バトル。
この圧倒的な描写を経ての「本当の強者は 何も差し出す事なく 賭けが出来る者の事を言うのです」という台詞の説得力の重みが素晴らしく。
■ んー…でも『天秤に乗せて差し出すモノがあってこその賭け(失うことへの恐れを抱く『対価』の重みを孕んでこその、ベットやバウトの熱さ)』だとも思うので、このカラカルの発言を、いずれ斑目さんがその行動(ギャンブル)でもって覆してくれるといいなぁ…という妄想。
■ ソリャそれとして、『袖に仕込んだナイフの柄で攻撃を受けつつ、肘からブレードを出して背後を迎撃』とかいうトリッキーなバトル(だが武器を使っても基本はあくまで肉弾戦)とかいう描写が、個人的に非常にツボで熱かったですよ。



■ さてその一方、おかしな同道者となった蘭子とマーティンによる『異性間の友情』談義。一見ヘタレ優男とはいえ、得体の知れない相手に対して、存外腹を割った本音トークな姐さんの余裕(あるいは自然体)っぷりは、流石の腹の据わり方だなと。
■ 蘭子の発言は随分と男性的てか剣呑ですが、その端的な認識も、彼女の歩んできた過去(「若い頃に痛い目を見たことがあるのさ」…という台詞の裏に、どんなエピソードがあったのか)故なのかと思うと、諸々興味深いよなぁと。
■ で、サブタイの『男友達』とは、誰のどんな関係を指してのものなのだろうかなと? レオと雹吾の関係はそういうフランクな言葉にはならない気がしますが。
あるいは、もの凄い思わせぶりに話しかけで中断された、マーティンの過去話と関係があるのかどうか?
■ 思わせぶりといえば、「…もし私がこの後 生きていればその時は」などとモノローグで語りつつ、蘭子を危機から守ろうとするような台詞を吐いたことも、どのような思惑と結果に繋がるものなのか…マーティンの言動の根にあるモノがいまだ判然としないので、今の所はひたすらに疑心のみが募る現況です。

■ そして、新たな謎。
カラカルは散布した水とAED(レオと雹吾、そして蘭子が聞いたのは、恐らくAEDの警告音声)を利用しての感電を目論んだようですが、その至近距離にいるレオと雹吾はともかく、カラカル達から離れた場所にいる筈の蘭子が何故マーティンから「水のそばから離れて下さい」と警告されているのかが謎。
カラカルの指示によりAEDによる感電を成すトラップを仕掛けたモノの、ソレに反して蘭子を助けようとしている』のか、それともソレすらも更なる罠の端緒なのか…。
■ などと予断を許さぬ(そして疑い出すとキリのない)緊迫状況が続きますが、興味深い謎も数多く散りばめられてはいるモノの、現在は鞍馬組だけでなくカラカル側の目的や立ち位置が未だ判然とせぬままで『勢い』を前面に押して進行しているため、このエピソードが物語の総体的な流れからは微妙に乖離している感は否めず、私的には少々緊張感が薄れてきたように感じられるかなぁと。
■ いやまぁ、『謎』 『ヒント』 『回答』を効果的に組み合わせてタイミング良く開示することで魅力的に展開しているのがこの作品なので、今もどかしく感じている部分もいずれ『物語の必然的な一部』として全体図にピッタリとはまり込む事は疑っていないのですが…この『鞍馬組SIDE』もそろそろ『どこに嵌るピースなのか』が明らかになってもいいのではなかろうかなとか思い。
絶体絶命な斑目さんや、外周での賭郎vsSAT(お屋形様vs副総監)のその後も気になる所ですしねぇ。