11/7/1

囮物語西尾維新

囮物語 (講談社BOX)

囮物語 (講談社BOX)

「それは『撫子』であって、『私』じゃない    

ずっと(作中で言われる所の彼女の『可愛さ』に対して)『恐ぇ!!』と思っていた撫子をようやく理解でき(るような気がし)て、その醜悪な無様さと恐ろしさを愛おしくも思えました。
しかし同時に、かつて自らの中にもあった『若さ故の過ち』な病根も直視する結果になってアイタタタ!
てか、社会に出てもっと色々な人に出会ってやり合って泣いたり笑ったりして、それを耐えたり誤魔化したりしながら、経済的に自分の足で立てるようになった頃には、いつの間にか治ってる種の病気だよねアレ?(まー治らず病院通いになる場合もありますが…)
しかし現在の彼女は、そんな『長い人生に於ける意識の変遷から見れば、所詮は一過性に過ぎない認識』の上書きすら許されぬ状況で、『未来』の可能性を根こそぎ失っている状態なのですよな。
だから…頼むぜ阿良々木さん! 彼女に今のこの出来事を、後になって「思い出すと恥ずかしくて死んでしまいたい」と思いつつも生きてゆける、そんな『人としての未来』を取り戻してやってくれ!
にしても、乞い願う弱い立場にある筈なのに、あくまで明晰さと誇りを失わぬガハラさんの物言いと態度には、マジで心酔致しました。流石の正ヒロイン力に惚れた!<だがあくまで我が心の嫁は八九寺(笑)