2005/1/24

もっけ(5) (アフタヌーンKC)もっけ 5巻/熊倉隆敏講談社
弱いこの背中を支えてくれる強い手は、いつまでもそこにはないだろう。冷えるこの心を温めてくれる手も、いつかは離れてしまうだろう。
意志を貫く強さがなくて、自分の願いを友の中に視る。行き場なく寄る辺もない気持ちを、孤高の存在へと沿わせる。
けれども、立って歩いて先へ進んでいくのは、他の誰のものでもない、自分の足でしかないのだ。
静流はそれが手に取れる程近くなったゆえに、瑞生は曖昧でありながらも確実にそこにあることに気づき…姉妹は共に、いつか迎える『未来』に戸惑っている。
両者のキャラクター性や年代の違いなのでしょうが、同じように将来に漠然とした不安を抱いていても、瑞生がそこに光を見ているのに対し、静流にはそれがあまり明るく見えていないような気がして、何だかちょっと心配です。
静流のようなタイプには、いつも芙美のような底抜けで強い明るさを持つ人が側にいるといいのではないかと思ったり。
自分を何も理解していなくても、何も理解しないからこそ、勇気をくれる存在というのもあると思うのです。