ドリームバスター 2巻/中平正彦/徳間書店

ドリームバスター (2) (リュウコミックス)父の入院を期に自分が父母の実子ではないと知ったサラリーマンの伸吾。拠り所を失い不安に捕らわれた彼は、赤頭巾の少女に誘われて鬼気迫る悪夢へと陥ってしまう。だがその窮地に颯爽と、銃を手にしたシェンという少年が現れた。シェンはドリームバスター…人の夢へと入り込み悪事を成す、異世界からの凶悪逃亡犯を狩るハンターだった。
今巻もまた、よく言えば手堅くシンプルにまとまった、悪く言えばありがちでいかにも的パターンの淡泊なストーリーを、ダイナミックなアクションと印象的な画面構成で盛り上げた1冊であります。
しかし、状況は違うものの成長しても『捨てられた子供』としての自己を処しきれずにいるシェンと伸吾の近似性や、彼らが感じる寄る辺ない不安感や寂寥の描写、そしてそれを克服していくふたりのマッチング具合などが上手いよなぁと感心しました。細部の彫り込み方が巧みなのですよな。エピソードの集約する場所も、「お見事!」の一言で。こうなってくると、「原作だとどうなってるんだ?」と、少々気にもなってきたり?
あとシェンと因縁を持つパーカーの、ハードボイルドなキャラ描写が痺れますよ。たまらん!負け犬たまらん!
こんなカンジで、魅力的なシェンの関係者がどんどん増えていくといいなぁと期待しております。