トライガン・マキシマム 14巻/内藤泰弘/少年画報社

トライガン・マキシマム 14 (ヤングキングコミックス)ヴァッシュとナイヴズ…哀しい事件を引き金に、そこから続く道程を礎にして、生まれた互いの譲れない信念が、誰よりも近くにいたはずのふたりを遠く遠く…引き裂いた。
希望と絶望の巡る永き昼夜を越えた果ての向こう、彼らと道を交えた数多くの人々の想いを背に、ぶつかりあうふたつの魂が迎えた『終わりの終わり』。そこから拓かれた新たな地平の続く先は      
掲載誌廃刊や他誌での仕切直しを経て、始まりからほぼ13年…長期連載作品の最終巻がついに刊行されました。
正直、終盤に入ってからは多少冗長にも感じた物語でしたが、巡り巡って辿り着いた、始まりの頃を思い出させるような最終話には、十二分に満足させて貰えました。
雑誌掲載時のカラーをきちんと収録して頂けたのにも感動しました。
『未来はいつだって白紙なんだ』…それが絶望なのか希望なのか、呪いなのか祝福なのか。誰かが、誰もが、高らかに唄った、今もなお歌い続けられるもの。
きっとそれはこの作品に触れた各々の中にも、様々な形となって、あるいははっきりとした形を取らずとも、長く尾を引く残響のように響いていくのではないか。そんな風に感じられる物語でした。
何だかすっかり玩具方面で活躍されてしまっている著者氏ですが、是非また新たなマンガ作品も拝見させて頂きたいものです。その日を心待ちにしつつ、ひとまずはさようなら。